違法コンピューターソフトウェアと著作権


貧相な法律知識を元に作った文章です。
まぁちょっと一口知識を得たい場合に読んでみて下さい。
知的所有権の簡単な入門書みたいなもんです。
なにぶん、法律勉強しだして数ヶ月で書き始めたモノなんでところどころ不完全な記述があります。m(_ _)m
(解釈間違ってたらいい笑いモンだなぁ、掲示していいのかな・・・)

いちおうこの文章も著作物にあたるので無断転載禁止です。(どのHPの内容もそうなんだけどね)

俺がこの文章を書いたのは別に正義感とかからじゃなく、大学で各自調べて発表する、いわば自由研究みたいなモノがあって、そのために作成したモンです。作成には俺と別に友人2名と協力して作りました。いわゆる共同著作物です。
この場合、我ら3人それぞれに著作権があり、発表にもそれぞれの許可が必要みたいなんです。堅苦しい・・・。
あ、ちゃんと許可もらってますから、ご心配なく。友人二人とも既に過ぎたことに関心はないようで二つ返事でOKでした(^^;; 

前置きが長くなりましたが、ヒマつぶしにどうぞ。
最後に一言
ダメだよ、不正コピーは!(爆)
・・・・
・・・
・・

う〜ん、俺が言っても説得力ないなぁ、どうしてだろ(核爆)

1.著作権とはなにか

著作権とは第一に、著作物によって作り出される社会全体の文化的な発展を守ることにある。そこで文化を生み出す元となる著作物を作り出した個人の権利を守ることが著作権の大きな目的である。

特許権などが15年と保護期間が短いのに対し、著作権は発表の日からその創作者の死後50年もの長い間、権利が与えられることになっている。そういった個人の権利を守ることが、素晴らしい著作物をさらに生み出すことにつながり、社会の文化が発展するという仕組みである。

したがって、著作権法は著作物を利用した様々な活動(演奏やレコード、その他出版物)を保護することによって著作権者の利益を守ることが目的でもある。また、他の工業所有権などは、むずかしい届け出と何百万円という高い金を官庁に納めなくては権利をくれないが、著作権は、届け出は不要であり、創作したらそのまま権利が発生する。
それほど個人第一の法律である。

日本で発生した特許や実用新案や意匠などの工業所有権は、それを米国にも通用させるというわけにはいかない。米国で有効にするには米国にも出願して許可がおりなくてはならない。つまり、一國一國に出願しないとその権利は発生しない。

では著作権はどうかというと個人の保護が中心で「ベルヌ条約」や「万国条約」、「レコード保護条約」というのがあって、日本もこの3つの条約に加盟しているから日本での著作権はそのまま世界にも通用するようになっている。


2.ソフトウェアが保護される理由

ソフトウェアはその性質上、デジタル的に劣化すること無く容易に複製する事が出来る為、ソフトウェア業界にとって違法コピーは多大なる損害を引き起こす脅威である。

実際、大手ソフトメーカーなどで構成するコンピューターソフトの国際的な権利保護団体、ビジネス・ソフトウェア・アライアンス(BSA)は97年6月10日、調査報告書「パッケージソフトウェア産業が日本経済発展に果たす役割」を発表した。

それによると、1996年のパッケージソフトの違法コピー率が0%とすると、ソフトの総売上高は現状より約68億ドル増加した約200億ドルに上ることが分かった。2001年には同122億ドル多い356億ドルと更に差は拡大すると試算している。

BSAでは「違法コピーは日本市場の成長を妨げる深刻な要因となる」と分析している。


3.ソフトウェアの法的保護の流れ

ソフトウェアの保護は特許法に近い特別法を制定するか、著作権法で保護するかが焦点であった。

昭和57年末のビデオゲームのプログラムが著作物に該当するという東京地裁の判決が出てから著作権法で保護することに落ち着いた。この時、東京地裁民事二十九部が「プログラムはその作成者の学術的思想の創作的表現であって著作物に該当する」という判断を示した。

また既に、昭和四十八年六月に著作権審議会第二小委員会の「コンピュータ関係報告書」で、創作性のあるコンピュータープログラムは著作物に該当し、著作権保護の対象となり得るものでありその無断複製は著作権の侵害であるという見解が出されている。 

58年6月には、パソコン用ソフトウェアを開発しているメーカー8社が、東京のある貸ソフト屋を著作権法違反で訴えることを決め、自社製品の貸出等の禁止を求める仮処分を東京地裁に申請した。
メーカー側の主張ではゲームソフトは動きある映像と音で人を楽しませる著作物であって、映画著作物としての領布権があるから著作者の許諾を得ずに、貸し出すことは頒布権の侵害であるというもの。

ゲームソフトはカセットテープに入っているものがほとんどで、ソフトのコピーを簡単に出来るので数ヶ月もかかって開発投資して作ったプログラムを貸しレコードと同じようにコピーされてはたまらないというわけである。訴えられたレンタル店はその非を認め廃業したことが報じられている。


コンピューター業界というのは機械本体のハードウェアが性能向上に反比例して価格が急落しているのに対してソフトウェアは開発費と保守費が増大し、コストは上昇する一方で8割がソフトウェア費となっている。
そこでソフトウェアを別個のコンピューター資産として保護する必要がある。ソフトウェアの開発はハードウェアの開発に比べ膨大な人件費がかかり、開発コストは増大する一方であるが、簡単にコピーできるという危険があり、ソフトウェアをハードウェアと別個のコンピュータ資産として保護する必要があるということで、文化庁でも通産省でも法的保護の検討を急いだわけである。

文化庁ではコンピュータプログラムについて著作権法による保護の可否と改正についてどのような法律上の保護を与えるべきかについていろいろな角度で検討した。

まず、昭和58年11月通産省より「プログラム権法(ソフトウェアの権利の確立に関する法律)」の法案が打ち出された。特筆に価するのは
(1)「使用権」を創設する。これにより第三者にも契約により利用させることが出来るが、無断でコピーすれば使用権の侵害になる。
(3)開発者には「使用権」の他に「複製権」「貸与権」を認めて権利保護を図る。

つづいて、文化庁でも法案が提出された。内容はほぼ同じだが、こちらでは
(1)著作権法で保護することがコンピュータープログラムの製作者の開発意欲を高め、円滑な利用の配慮ができる。著作権法第10条著作物の中にプログラムを明示する。そしてプログラムの定義規定を設ける。
(4)プログラムの「放送権」「有線放送権」「貸与権」を認める。  文化庁側ではネットワークを意識した放送権についての記述が見られる。

通産省と文化庁の協議の結果、著作権法で保護することが決まり、「著作権法の一部を改正する法律案」が国会に提出され、60年4月に成立し、61年1月から施行された。

(1)コンピュータープログラムを著作物として保護することを明確化するために定義規定をおいた。
(3)コンピュータープログラムはその特質に対応して利用しうるように各規定を整備した。
これは、コンピュータープログラムの著作物の複製物の所有者が自己の利益のために必要な複製・翻案を行うことを認めるがこれにより作成された複製物の取り扱いや目的外使用の禁止について定めたものである。
コンピュータープログラムの創作年月日の登録制度を設けた。
(4)海賊版によって作成されたコンピュータープログラムの複製物を事情を知っていて業務上使用することは著作権侵害とみなすとした。

<一部抜粋>


4.違法コピーとは何か

違法コピーは大きく2つに分類される。

一つは、著作権法で禁止されている複製によるソフトウェアを指す。
著作権法では個人使用のための複製は認めている。
例えば自分で買った音楽CDの曲を磁気テープ等にダ  ビングする行為は個人使用に限り認められている。
しかし、例えばソフトウェアを頒布する等、使用目的外の複製は著作権法で禁止されているので、頒布のために複製されたソフトウェアを違法コピー(品)と言うことが出来る。

二つ目に、契約違反による違法コピーである。
これは複製権が著作権者に専有されていることが前提となっていて、ユーザーはソフトウェアを購入しても使用権のみが与えられ、さらに著作権者の使用許諾契約に同意の上使用することができるとしている。
例えば、ユーザーがソフトウェアを買ったとする。しかし、そのソフトを使用する前に発売元(著作権者)との使用許諾請求に同意しなければならない。その契約で禁止されている複製を行った場合は、違法コピーとみなされる。
たとえ著作権法で認められている個人使用のための複製であっても、契約で禁止されているならば、それも違法コピーとみなされる。
というのは、著作権法で著作権者に複製の専有が認められているからである。


◆違法コピーその形態◆


・組織内違法コピー

企業や学校、病院など複数のコンピューターでソフトウェアを使う組織において、正規に許諾された数を超えてソフトウェアをインストールしたり、使用したりすること。日本では違法コピーの多くがこの形態であるとみられてる。  

・海賊版、偽造版

正規のパッケージから無断でコピーしたり、正規のパッケージを真似て作られた偽物のこと。
最近では、複数のソフトウェアを1枚のCD-ROMにコピーしたものが国内外問わず広く出回っている。日曜の秋葉原あたりの露天で売ってたりする。

・BBS、インターネット

パソコン通信やインターネット上でソフトウェアをアップロードしたりFTPで転送したりホームページや掲示板等で違法ソフトの宣伝をして、CD-ROM等を郵送するなどが行われている。 Windows95の急速な普及により、これまでパソコンやネットワークに何ら興味を示さなかった人も参加するようになってきていて、ますます活発になりつつある。
さらにこの形態のものは摘発が容易ではなく、被害も拡大しつつある。

・ソフトウェアレンタル

ソフトウェアメーカーの許諾を得ないでソフトウェアのパッケージをレンタルする行為。悪質な店では客が違法コピーをすることを知りながらコピーツールを同時に提供するなどを行っている。最近はあまり目立っていない。


5.ソフトウェア著作者の権利と保護

ソフトウェアは既に述べたように著作権で保護されている。
これは著作権法第10条9号の例示に明文化されている。 以降列挙していく。

第21条
「著作者は、その著作物を複製する権利を専有する」

★つまり、ソフトの著作権を持つ人のみが複製する権利を持っているということ。
逆を言えば、ソフトを買った人はそのソフトの所有者であって、著作者の許可を得ずに複製することはできない。

第23条
「著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては送信可能を含む)を行う権利を専有する。」

★インターネット上にソフトをUPして誰でもアクセスできるようにすることは著作権の侵害になる。

第30条
「著作権の目的となっている著作物(以下この款において単に「著作物」)は個人的にまたは家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とする場合には公衆の使用に供することを目的として設置されている。自動複製機器(複製の機能を有しこれに関する装置の全部または主要な部分が自動化されている機器をいう)を用いて複製するときを除いてその使用する者が複製することができる。」

★自分で使う場合(バックアップ等)はその複製が認められている。しかし使用許諾契約がある場合はそれに従わねばならない。 

第47条の2 第1項
「プログラムの著作物の複製物の所有者は自ら当該著作物を電子計算機において利用するために必要と認められる限度において当該著作物の複製又は翻案(これにより創作した二次的著作物の複製を含む)をすることができる。ただし当該利用に係る複製物の使用につき第113条2項の規定が適用される場合はこの限りでない。」

第2項
「前項の複製物の所有者が当該複製物(同項の規定により作成された複製物を含む)のいずれかについて滅失以外の事由により所有権を有しなくなった後にはその者は当該著作権者の別段の意志表示がない限りその他の複製物を保存してはならない。」

第49条1項3号  次にあげる者は第21条の複製を行ったものと見なす。
「第47条の2第1項の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第2号の複製物に該当する物を除く)を頒布しまたは当該複製物によって当該著作物を公衆に提示した者。」

★バックアップ用などプログラムを複製したときは合法的な手段・状況であっても後に頒布したり、権利を持たない誰かにアクセスできるようにすることは、さかのぼって、違法コピーをおこなったものと見なされる。

113条 1項2号 「著作者人格権・著作権・出版権又は著作隣接権を侵害する行為によって作成された物(輸入に係る物を含む)を情を知って頒布しまたは頒布の目的を持って所持する行為。」

2項 「プログラムの著作物の著作権を侵害する行為によって作成された複製物(当該複製物の所有者によって第47条の2第1項の規定により作成された複製物ならびに前項第1号の輸入に係るプログラムの著作物の複製物および当該複製物の所有者によって同条第1項の規定により作成された複製物を含む)を業務上電子計算機において使用する行為はこれらの複製物を使用する権限を取得したときに情を知っていた場合に限り当該著作権を侵害する行為とみなす」

★この規定のいう業務とは仕事で使うという意味じゃない。継続反復して使用するということ。例えばWin98の違法コピー品を入手して、それをPCにインストして使っていたとする。この場合も継続してるワケだから業務となる。法律用語は一般観念とちょっと違うところがあるので注意されたい。
入手した時に海賊版(違法コピー)と知らなければ問題ないと書いて有るが、普通知らないワケがない。


6.権利の侵害があった場合は

◆民事上の救済措置◆

T、侵害行為の差止請求権(第112条)

著作権を侵害する者、または侵害するおそれのある者に対して権利者はその侵害の停止または予防を請求できる。権利の侵害には、行為者の故意はもちろん過失の場合、ならびに無過失の場合も含む。

U、損害賠償の請求権(第114条、民法709条)

故意または過失によって他人の権利を侵害した者に対して権利者はその侵害によって生じた損害の賠償を請求できる。ただし、無償配布についてはソフト会社の損害とは認められないため、訴えることができない場合がほとんど。

V、不当利得の返還請求権(民法703条)

他人の権利を侵害することによって利益を受け、その行為によって権利者に損失を及ぼした場合は、権利者はその利益の返還を請求することができる。事実上の救済措置として侵害者に対して警告するような措置もある。侵害の事実があれば足り、故意または過失は必要としない。
権利者は
@侵害の行為を組成したもの(無断上映された映画フィルム等)   
A侵害の行為によって作成された物(無断で複製されたソフト等)   
B侵害の行為に供された機器もしくは器具(複写機等)
の廃棄、その他の侵害の停止または予防に必要な措置を請求で この予防については侵害のおそれがあれば足り、侵害者の故意または過失は必要としない。
廃棄その他のその他の措置の請求は差止請求と同時に行う必要がある。差止請求権は本訴でもって請求する権利だが、本訴の確定には長期間を要することから訴訟の実務では仮処分(頒布禁止の仮処分等)の申し立てがなされる場合がある。


7.インターネット上でのソフトウェア著作権に関して

著作権法23条1項は著作者に著作物を「放送し、又は有線送信」する排他的権利を与えている。
これは昭和61年に改正されたもので、データベースのオンラインサービスなど個々の利用者のリクエストに応じて送信する形態のものが普及してきたのでこれに対応する形で改正された。

著作権法23条1項に言う有線放送には、次の2つのものが含まれる。
1.有線放送(2条9項の2)
2.その他の有線放送(リクエストベースの有線放送)
インターネットは2に属する。これは有線を通じて送られてくる利用者のリクエストに応じてサーバーとなるコンピューターが有線を通じて自動的にデータを送付するものだからである。

ではインターネットでの著作物を有線放送する過程をみてみる。
1.ファイルを用意する
2.ファイルをインターネット上のサーバーに送信(配置)する。
3.ユーザーからのリクエストに応えて、コンピューターが自動的にそのファイルの内容(ファイル本体)を送信する。

著作権法の言う有線送信とは上記の過程のどの段階における動作を指すのだろうか。
ある著作者の著作物について有線送信権も有線送信の許諾も得てない者が上記の過程を通して著作者の有線送信権を侵害したと想定して考えてみる。

まず、3の動作は言うまでもなく有線送信権の侵害である。
1はまだネットワーク上でユーザーがリクエスト(見ること)出来ないので、問題ない。
では2の動作はどうだろう。実際にユーザーからのリクエストが行われてない状態でも著作者の有線送信権の侵害にあたるのだろうか。


◆差止請求権(112条)との関係◆

差止請求権は侵害のおそれのある者に対して侵害の予防を求めることができるため、実際に送信されてなくても、ファイルの削除を請求できると言える。

◆損害賠償請求権(民法709条、著作権法114条) との関係◆

WEB上に配置された著作物はインターネットをしている誰もがいつでも入手できるので、損害賠償請求権に必要な損害発生を立証することが非常に難しいといえる。実際、著作物が送信されたか、されてないか、またその著作物が一体何人に渡ったかをどうやって調査するかが最大の課題である。


※なお、平成10年度の改正でネットワーク上の著作権が整備されたことを付け加えておく。
 10年度版の六法辞書には改正附則として記述されているので参考にされたし。

★著作権は他人がその著作物を利用することを一般的に禁止することができるという権利ならびにそれを前提として、他人の利用を許諾する権利である。したがって、著作権が他人の行為を禁止する権利である以上、機械の自動的動作は著作権によって禁止される対象とはならない。

人間の行為として最も重要なのは、ファイルを自動送信可能な形でサーバーに配置する行為(作為)と言える。
また、ユーザーのリクエストに応じてコンピューターが送信するのを止めなかったという行為(不作為)も考えられるが、リクエストに応じて自動送信するのがインターネットであるからその不作為を問題にするのは無意味である。

したがって、ファイルを自動送信される形で配置する行為は著作者の有線送信権により禁止される行為と言え、インターネットでの著作物の送信は著作権法23条1項の有線放送と言える。


8.事件考察


【T】 路上での海賊版ソフト販売

警視庁生活経済課と万世橋署は4月28日、東京・秋葉原の電気街の路上で、グラフィックソフトやビジネスソフトをコピーしたCD-Rを販売していたとして、中国人ら計5人のグループを著作権法違反の疑いで逮捕した。調べでは容疑者ら3 人は今年2月6日、東京都千代田区外神田3の路上で、米アドビシステムズの「イラストレーター7.0Jウインドウズ版」をコピーして収録した10枚のCD-Rを、販売目的で所持していた疑い。他の2人は4月2日、外神田3の駐車場で同じCD-R1枚を8000円で販売、7枚のCD-Rを販売目的で所持していた疑い。

今回摘発された容疑者グループは昨年6月ごろから週末を中心に店を出し、多いときには同じ通りの数十メートルの間に同様のグループが複数出ることもあった。これらのグループは警察による排除や任意での取り調べを再三受けながらも、販売を続けていた。 

イラストレーター7.0Jウインドウズ版は昨年6月発売され、定価は9万8000円。
コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)によると、容疑者グループはイラストレーターをはじめ、同社の写真加工処理ソフト「フォトショップ4.0Jウインドウズ版」やDTPソフト「ページメーカー6.5Jウインドウズ版」、トレンドマイクロのワクチンソフト「ウイルスバスター97」など10から20タイトルのソフトを収録したCD-Rを数種類販売。CD-Rに収録されたソフトの正規の標準価格は計100万円から200万円に及ぶが、容疑者グループは1枚1万円前後で売りさばいていた。

<解説>

113条1項2号の規定により、容疑者らは海賊版ソフトを販売目的で所持していたので現行犯逮捕となった。さらに容疑者らは利益を得ていたので民法703条の不当利得となり、悪意であることは明確であるので、704条の規定を適用し、利息を付けて返還しなければならない。また、容疑者らの海賊版ソフト頒布により、ソフト会社の売上に損失を与えた場合は、損害賠償を支払わねばならない。



【U】インターネットを利用した犯罪

パソコンソフトをCD-ROMに不正に複製し、インターネットを通じて販売していたとして著作権法違反の罪に問われた東京都品川区小山1、元東京大学大学院生、中山洋一(27)の判決公判が8月10日、仙台地裁で開かれた。

山田公一裁判官は「中山被告は有名大に通っており、その豊富な知識を悪用して金儲けをするなど巧妙かつ悪質」などとして、中山被告に懲役10月、執行猶予3年(求刑・懲役10月)を言い渡した。

判決によると、中山被告は今年4月8日ごろ、マッキントッシュ用の経路検索ソフト「駅すぱあと」(東京都杉並区、ヴァル研究所製、定価1万9800円)をCD-Rに不正に複製。インターネットを通じて東京都青梅市の会社員に1万5000円で販売するなど、昨年8月から今年6月までに5人に対してパソコンソフト10枚(販売額約34万円)を複製し販売した。
中山被告は自身が所属していた東大の研究所で東大が開設したネットワークを使用して、ソフトプログラムの交換をするホームページからソフトを入手し、CD-Rに複写。さらに東大のネットワークから海外の匿名サーバーを利用して電子メールで購入者を募るなど東大の設備を悪用し、手口も巧妙かつ悪質。

山田裁判官は「犯行は模倣性が強く、社会に与えた影響は大きい」などとしたが、「中山被告は反省しており、また大学も退学し、社会的制裁を受けている」として執行を猶予した。

<解説>

Uの事件はソフトを販売したので、ソフト会社の利益を侵害し、著作権法違反で逮捕された。今までにインターネットを利用した著作権違反の事件はいくつかあるが、全て販売をしたために、検挙されている。無償配布のケースの逮捕は滅多にみられない。

また、 民事上の裁判は判例が極端に少ない。今後判例が出てくるだろう。


9.今後の課題

違法コピーが減らない理由のひとつに、ユーザーは罪の意識が薄いというより、見つからなければいいという考えが根底にあるようで、事実、告訴されたりすることはあまりない。

現在までのソフトウェアの著作権違反の判例では、被告の刑はせいぜい罰金10〜50万円、もしくは執行猶予付きの懲役5年以下である。著作権法で逮捕となっても刑事罰となる。
著作権法は刑事罰の規定があるが、基本的には経済的な権利を守る法律なので、警察は民事不介入の姿勢で問題に接することが多い。そのため、ソフト会社は自力で裁判に挑まねばならず、その費用もばかにならない。コピーソフト販売で逮捕となった事例があるのは、ソフト会社が損害賠償を請求できるからである。したがって損害賠償が請求できない無償配布などの行為に対しては見過ごす他ないのが実状である。

しかし、最近はこの無償配布の形態が増発しており、法整備が急務である。


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